今日、実に珍しいものを見た。
毎日行をする時に、神棚にあげる洗米、お塩、お水を上げるんだが、
撤饌のお塩が貯まったところで、いつも誰かに貰って頂いている。
今回もどなたかにお分けしようと思ったら、
まちがえて入れてしまった洗米がなぜか塩の中で、
焚いた時と同じようにふっくらと煮えたようになっていて、
ご飯粒の塩漬けみたいになっていた。
これではお裾分けできないな、と思ったので
そうだ。それなら海にお返ししようと考えた。

静岡も今日は異様に暖かかったのだけど、
風が強かったので、海も結構すごかった。
静岡の海のあんな激しい高波は始めて見た。

遊歩道に自転車を停めて浜へ降りかけた時、
ん？なんだ？
激しく波が押し寄せて返す波打ち際の空間に、
白い波が打ち寄せるときだけ、七色の光が浮かぶ？
よくよく見れば虹ではないかえ？！

それは、まことに『虹』ではあったが、
足下の部分しかなかった。
でも、ちゃんと橋桁になっている。

これは面白い！
もっと近くで虹の根っこを見てみたいと思って
砂浜をまっすぐそちらへ向かって歩いた。
近づくと虹の位置は少しずつズレては行ったが、
ハッキリとそこに浮かんでいた。
でも、波が打ち寄せないとまったく見えない。
白い波しぶきが映画館のスクリーン替わりになって
始めて見えるのだ。

しばし波打ち際に立ちすくんでいたよ。

しかも、波が荒いので数年ぶりに海潮音を聴いた。
少しの時間だったけど。
海の音霊を聴くなら、やっぱり北陸の海が良い。

この自然界の音は浄化になるそうだ。
海の音、風の音、山の音、雪の音、いろいろあるね。
じっと『音』に集中していると、
やがて不規則なリズムが掴める。
そのリズムをずっと追いかけていると
やがて音霊が聴こえて来ます。

海の音は楽しい音だよ。
あの音を聴いてから、わたしは海が怖くなくなった。
複雑で転がるような音が連なって聴こえる。
可愛らしくて楽しくて、心がウキウキしてくる音だったよ。
ものすごく幸せな気分になって、ニッコニコしちゃうのさ。

あの音を再現できたら、絶対絶対病気に効く。
いつか創れる人が現れるかもね。

海の神様にご挨拶してからお塩を波打ち際に撒いたら
とてつもない大波が来てマジ、ビビった。
ふと振り返ると、太陽の光は雲に隠れて
虹の根っこは跡形もなく消えていた。
さっきまで、見えなくてもそこに在る、と分かったのに
もう何の存在感も残って無かった。

帰宅して家のカレンダーをめくったら、
同じ浜で撮影された二重の虹が12月の写真だった。
ビックリした。